書籍『奈良の民話』

  ~奈良の民話を語りつぐ会  発行(2013~2014年)


奈良には、多くの神社・仏閣がありますが、それには案外知られていない物語が秘められています。

元興寺には「退治された盗賊が鬼になって出没し、小僧が鬼と格闘の末、追い払い、後に立派なお坊さん

になった」というお話があります。また東大寺の「良弁杉」、油阪の「蓮長寺の龍」、猿沢池には「采女の恋」、

徳融寺には「中将姫伝説」、そして興福寺の菩提院には鹿をめぐる悲しいお話「十三鐘の石子詰め」が

あります。剣豪の里、柳生では「石舟斎と一刀石」、また山深い吉野では「伯母峰の一本足の鬼」や「弁慶の隠れ塔」の

伝説が語られています。


このように、歴史のある奈良には鬼や龍の話から、仏教説話、悲恋物語、親子愛の物語と実に多くのお話があります。
しかし、このような奈良の人々が語り伝えてきた故郷(ふるさと)の民話が途絶えつつあります。昔はおじいさんやおば

あさんがお話を孫たちに伝えてきたのですが、三世代同居の家族が少なくなり、核家族が増えてきて、地方の貴重な

お話が聞かれなくなったのです。


本書は、民話調査に基づく伝承テキストを子どもたちに親しみやすい語り口で再話されたものです。

 

 <1巻> 本格昔話(人間が主人公の話)

 <2巻> 動物昔話

 <3巻> 笑い話と怖い話